手折りパイ生地の作れる寒い季節になりました。今年はイチゴがいっぱいのバンド・オ・フレーズ。
パイ生地を帯のように伸ばし、溝を作って焼きました。溝にはヴァニラをたっぷり入れたカスタードを絞りました。
サクサクのパイ生地・濃厚なカスタード・甘酸っぱいイチゴの組合せは最高のハーミニーです。
最近のケーキ屋さんでは、ヴァニラビーンズを使ったカスタードやアイスクリームが当たり前になりました。洋菓子が珍しかった一昔前は、あの粒粒が不純物じゃないかと思われたり、高価なものと知られてなかったため、なぜお菓子が高いのか疑問に思われていたようです。
ヴァニラの原産国はタヒチやマダガスカルなどの熱帯地方です。果実の形から「小さな豆果(サヤ)」というスペイン語がヴァニラの語源ですが、実はラン科の植物です。
高価なだけあって、製品として出回るまでに長い時間と手間が掛かります。実が黄色い未熟なうちに摘み取り、熱湯につけて日向に干します。夜には毛布に包んで、熟成させます。この作業を2週間以上繰り返し、ゆっくり醗酵熟成させたものが茶色いヴァニラビーンズです。
ヴァニラビーンズは古くから薬としても用いられ、睡眠薬としても使用されたようです。お菓子を作っていて眠くはなりませんが、確かにあの甘い香りをかぐと幸せな気持ちになります。